2020/6/1

手紙

 ある日の夜、消灯時間が過ぎても電気がついている部屋がありました。様子をうかがうと、93歳の入居者様が何かを読んでいました。
 声を掛けると、笑顔で「ごめんね。遅くまで起きていて。手紙を読んでいたの」と。娘さんからの手紙でした。ひ孫さんたちが描いたかわいらしい絵も入っていました。感染症対策のために面会ができず会えないので、手紙が届いたようです。
 この方は、手紙を枕元に置き何度も何度も読み返して、会える日を楽しみにしています。
 やさしい直筆の手紙は、今の不安な世の中にあたたかな風を運んできたようでした。夜空を見上げると、星がキラキラと輝いていました。

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